俺様紳士と甘えた彼とのハッピーエンドの選び方
そんな時、ショーウィンドーに写る自分の姿を見てハッとする。
子どもたちも走り回り、慌ただしい1日を過ごしていたので、髪はボサボサでメイクもすっかり落ちていて。そして、今日早番だったため早起きをしており、疲れた顔をしていた。
周りを見れはメイクをばっちりとして綺麗な服を着て、ヒールをカツカツと鳴らして歩くOLさんや、明るい色の髪をしっかりセットして、自分の好きな服を楽しんでいる学生さん達に目がいく。
とてもイキイキとしていて、綺麗で可愛い女の子ばかりだった。
それに比べて自分はどうだろうか。彩華は自分の格好を見つめる。
汚れてもいい服を着て、子ども達につかないように薄めのお化粧をして、ラメや口紅はつけないよう心がけたり、髪の毛は結び、ヘアピンは危ないからとつけない。
お洒落をする場所ではない。そう思いながらも、街中を歩くと少し切ない気持ちになってしまう。
そんな事は思った事などほとんどなかったのに。やはりあの男性が気になってしまうのだろうか。
「………明日は少しだけメイク頑張ろうかな」
彩華はそんな風に思いながら、自宅を目指した。
彩華と神社の彼との出会い。
その日から、彩華の淡い恋がスタートしたのだった。