俺様紳士と甘えた彼とのハッピーエンドの選び方
葵羽ルート 8話「冷たい声」





   葵羽ルート 8話「冷たい声」



 葵羽の体はとても温かかった。
 バスローブを羽織っていても彼の体温を感じ、彩華は鼓動が激しくなる。
 
 お互いにお風呂に入った後、2人でベットに入って横になる。電気を消した後も窓から見える夜景を眺めたり、会話を交わしているうちに、彩華はうとうととしてきてしまう。
 葵羽はそれがわかったのか、自分の体に抱き寄せ、そのまま彩華の頭を優しく撫でてくれた。彼の体からはボディソープの香りがした。ローズ系の華やかな香り。彼と同じ香りを自分も身に纏っているのかと思うと、嬉しくもある。
 すでに酔ってはいないものの、普段飲まないお酒のせいか、すぐに眠気は襲ってきた。緊張で寝れないと思っていたのに、彩華の方が先に瞼を閉じてしまう。


 「まだ………もう少し待って欲しいです」


 そんな彼の言葉を聞いたのは、彩華が夢の世界へと意識を移した時だった。




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