好きなんかじゃない
藤田と私はそのまま会話をしながら、駅のほうまで来た。藤田は急に思い出したように

「俺、駅のそばで用事があるんだ!」

 あ、じゃあここまで、かな。藤田はいきなりあわただしくなって

「じゃ、蔵本。また学校で会ったら声かけてよ!」

 そういって藤田は走って駅に行ってしまう。忙しいんだな。

「あ、うん。じゃあね。」

 私は走る後ろ姿にそうつぶやくくらいしかできなかった。

「アイス、おいしかったな。ありがとう。」

 ひとりの時だったらこんなに上手に話せるのに。また、喋る事あるかな?
 その時はもっとたくさんおしゃべり出来たらいいのに。
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