わかばの恋 〜First of May〜

でも、その声は「あの人」じゃなかった。
将吾さまではなく、全然違う(ひと)だった。

さらに、ぎゅうぎゅう抱きしめられる。

あたしはまるで人形のようになって、いっさい抵抗しなかった。
そして、ただ手足を突っ張らせながら、ふふっ、と(うつ)ろに(わら)った。

将吾さまではないことは初めからわかっていた。


だって、昨日、将吾さまは……

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