わかばの恋 〜First of May〜
そして、「政略結婚」でもなかった。
将吾さまのカフェ・オ・レ色の瞳が、怖いくらいまっすぐに彼女を射抜いていた。
それでいて、微笑んだ口もとからは、お砂糖のような甘さも感じられた。
あたしを見つめる、ただただ優しいだけの彼の瞳とは明らかに違った。
彼女を見つめるそこには、狙った獲物を決して逃さない獰猛なまでの「男」が潜んでいた。
あたしは気づいた。
将吾さまが……
心の底から彼女を……愛していることを。