絶対的Beast
わざわざ甘い声で囁いて……。

それに乗っちゃう私も私でダメなんだけど……。

どうも爽やか生徒会長バージョンを見たら警戒心が鈍ってしまう。

……完全に私、大和先輩に手のひらの上で転がされてる……。

「ふぁあぁ。葵唯ちゃんやっと終わった?」

“やっと”って……。

あくびをしながら間の抜けた声で私に話しかけるのは、スマホをイジってばっかりで手伝おうともしない橘花先輩。

相変わらず手伝おうってゆう思いやりが欠落してるんだから!

ースっ。

「えっ……? 葵唯ちゃん!?」

ードンッ!

私は橘花先輩の手元からスマホを奪い取り、その代わりにようやく綴じ終わった資料の山を橘花先輩の手元に置いた。
< 226 / 376 >

この作品をシェア

pagetop