黒王子は私を離さない。
* * *
ーザワザワ……。
うぅ……ほんとに人多い……。
みんな友達と話したり、保護者同士で話したり……校庭にこれだけの人がいればかなり窮屈だ。
「葵唯、大丈夫?」
「う、うん……」
祐希ちゃんは大勢の人の波を縫うように、私の前をズンズン進んでいく。
私はそんな祐希ちゃんの腕をガッシリと掴みながら後ろを歩いてるだけ……なんけど──────────
うっ……。
私は湧き上がってきた吐き気に、慌てて口に手を当てた。
人酔いしやすい私は、案の定、人混みの中に入ってすぐ人酔いして、祐希ちゃんの腕を掴んでいないとろくに歩けない。
いろんな香水の匂いが一度に混ざって、なんとも言えない匂い……。
そのうえ四方八方人だらけ……。
ーギュッ。
思わず祐希ちゃんの腕を掴む手に力がこもる。
うぅ……気持ち悪い……。
「もうちょっとだから頑張れ」
祐希ちゃんはそんな私を振り返って、鼓舞するように優しく微笑みかけた。
なんて頼もしい祐希ちゃん……。
祐希ちゃんの優しさに涙が出そうだよ。
「祐希ちゃん、ありが──────────」
ードンッ!!
!?!?!?
祐希ちゃんにお礼を言っている最中に、突如横から来た衝撃。
すれ違う人が体勢を崩して私に当たってしまったようだけど……。
「わわわっ!!」
人酔いでふらついていた私は、もちろん踏みとどまることはできず。
「葵唯!」
祐希ちゃんが慌てて差し伸ばした手も……。
ースッ。
朦朧として掴むことが出来なかった。
あぁ……頭回んない。
私、このまま倒れる──────────
そう思ったと同時に私は痛みを覚悟でギュッと目を瞑った。
ー……ドンッ!!
ーザワザワ……。
うぅ……ほんとに人多い……。
みんな友達と話したり、保護者同士で話したり……校庭にこれだけの人がいればかなり窮屈だ。
「葵唯、大丈夫?」
「う、うん……」
祐希ちゃんは大勢の人の波を縫うように、私の前をズンズン進んでいく。
私はそんな祐希ちゃんの腕をガッシリと掴みながら後ろを歩いてるだけ……なんけど──────────
うっ……。
私は湧き上がってきた吐き気に、慌てて口に手を当てた。
人酔いしやすい私は、案の定、人混みの中に入ってすぐ人酔いして、祐希ちゃんの腕を掴んでいないとろくに歩けない。
いろんな香水の匂いが一度に混ざって、なんとも言えない匂い……。
そのうえ四方八方人だらけ……。
ーギュッ。
思わず祐希ちゃんの腕を掴む手に力がこもる。
うぅ……気持ち悪い……。
「もうちょっとだから頑張れ」
祐希ちゃんはそんな私を振り返って、鼓舞するように優しく微笑みかけた。
なんて頼もしい祐希ちゃん……。
祐希ちゃんの優しさに涙が出そうだよ。
「祐希ちゃん、ありが──────────」
ードンッ!!
!?!?!?
祐希ちゃんにお礼を言っている最中に、突如横から来た衝撃。
すれ違う人が体勢を崩して私に当たってしまったようだけど……。
「わわわっ!!」
人酔いでふらついていた私は、もちろん踏みとどまることはできず。
「葵唯!」
祐希ちゃんが慌てて差し伸ばした手も……。
ースッ。
朦朧として掴むことが出来なかった。
あぁ……頭回んない。
私、このまま倒れる──────────
そう思ったと同時に私は痛みを覚悟でギュッと目を瞑った。
ー……ドンッ!!