愛していたのは、人間じゃない君だった
「ユキト…!」

そう言い、愛は俺の胸へと飛び込んだ。

それは、まるで雪のように軽く、白く、美しく見えた。

俺は、愛をギュッと抱き寄せた。

「どうしたの?ユキト。」

「あ、何でもないですよ。愛様。」

その言葉に、愛様は頬を膨らませ、いきなり拗ね始めた。

「え?どうなさいました?」

すると、愛は瞳に涙を溜め込むように私の顔を見ていった。

「やっと、ユキトがタメ口で話してくれたのに、また敬語に戻るから拗ねてるの!」

「そんなことで拗ねているのですか?」

「そんなことじゃない!重大なことよ。」

「どうして、そこまでタメ口にこだわるのですか!?」

すると、愛の肩がピクリと動いた。

少し強く言いすぎたと思い、黙っていると…。

「私は、一目見た時から、ユキトの事が好きだったの!」

「…、ですが私とお嬢様の関係は…。」

「!?分からないなら、教えてあげる!」

そう言い、愛は俺のネクタイを思いっきり引っ張り、唇と唇が触れキスをした。

「私は、ユキトがアンドロイドでも好きなの!ずっとずっと、会った時から好きな…!」

「お待ちください!!お嬢様。」

俺は、次の言葉を遮るように強い口調で言った。

「…私は、お嬢様を守る身。そういったご関係になるつもりは一切ありません。」

「…!」

そう言い、私はその場を後にした。
< 3 / 5 >

この作品をシェア

pagetop