小さな部屋で

その言葉が聞こえた瞬間、私は眠りについた。
怖い人が目の前に居るはずなのに、私はすんなり眠った。

はっと目を覚ますと、身体は汗で濡れて、毛布一枚とジャケットだったはずのものは大きな布団になっていた。

「目、覚めた？薬そこあるから」

時間を見ると朝の6時。

目の前のその人は一睡もしていないように疲れた表情をしていた

「ありがと…」

こうなったのはその人のせいなのに、なぜか口からお礼の言葉が流れ出す

怖い人のはずなのに、なんでお礼なんか言ったんだろう
そう考えながら薬を飲み込んで、また暖かい布団の中にもぐりこんだ