氷点下できみを焦がしたい
あの帰り道、月の綺麗な夜。
理事長のお父さんからしたら、優等生じゃなきゃ意味がないって言った永遠くん。
彼の影をすこしだけ知って、消えてしまいそうな気がして、そんなことないって知ってほしくて。
……そこまで、バレてたんだ。
だって、あまりにも悲しいこと言うから。
消えてしまいそうだったから。
キラキラ光る花火を、2人並んで見つめて。
永遠くんはそれ以上何も言わなくて、私も黙って空を見た。
あの花火みたいに私の気持ちも溢れて、はじけて、きみに伝わってしまいそうだ。