氷点下できみを焦がしたい







「笹木。この前の小テスト3点だっただろ」

「はい……」


私は今、職員室にいる。
そして呆れた顔をしながら、私の成績データを見ている先生と、目を合わせることができずにいる。



「勉強しなかったのか?」

「少しはしました……」

「はぁ……来週追試するから、80点以上取れ。
基礎問題しか出さないから満点だって狙えるはず。
80点にいかなかったらと夏休みは補習だ」

「ええっ!?」



そう、数学の先生に呼び出されたのだ。
呼び出された理由はわかっていた。

さっきの授業で返された、3点の小テストを握り締めながら職員室に来たら、案の定。



「わ、わかりました……」



無理だよう……、一応勉強してもできなかったから3点を取ってるのに、1週間でそれが80点になるわけないじゃん。


なんだか最近ツイてない。

永遠くんの裏の顔は見てしまうし、テストは追試になるし。


……永遠くんの裏の顔なんて知らないまま、騙されたまま、遠くからきゃーきゃー言ってた方が幸せだったのになぁ。


< 12 / 246 >

この作品をシェア

pagetop