氷点下できみを焦がしたい
「嫌だ、私も残る!」
「だめ。お前は俺たちと違って頭が悪いんだから帰れ」
「ひ、ひどい……」
「私も手伝う」と言っても永遠くんは全然聞いてくれなくて、仕方なく帰り支度を始める。
こうなったらきっと永遠くんは聞いてくれない。
たしかに私は前回テストで3点を取って永遠くんに勉強を教えてもらったわけで、さすがに今回も1桁の点数なんてとったら進級させてもらえるかどうかすら怪しい。
それにまた永遠くんに迷惑をかけることがあったら申し訳ないもんね。
黙って勉強しよう……。
「そうだ、笹木。
これ貸してやるからこれで勉強しろ」
生徒会室を出ようとした瞬間、ふと思い出したように永遠くんが私を呼び止める。
永遠くんは鞄の中からノートを取り出して、私に差し出した。
黒くてシンプルなリングノート。