氷点下できみを焦がしたい
「え、永遠くんのノート貸してくれるの?」
「ああ」
「ありがとう!助かる!」
私も授業中は一応ノートは取っているけれど、私がとったノートと学年トップの成績の永遠くんが書いたノートでは分かりやすさは歴然としている。
しかも、永遠くんのノート……。
いつも永遠くんが使っているノートだと思ったらドキドキして、頬が緩んでしまう。
「先に帰らせてくれてありがとう。
頑張って勉強します!」
「気を付けてね、テストも頑張って」
にこにこして見送ってくれる真緒くんと、
「追試になるんじゃねーぞ」
ぶっきらぼうに言いながらも手を振ってくれる永遠くん。
2人の優しさを無駄にしないように頑張ろう!
そう思って早足で家に帰って、さっそくノートを開く。
こんなに勉強する気になってるのは、永遠くんのノートのおかげだ。