氷点下できみを焦がしたい




「これ、もしかして私のために作ってくれた……?」



永遠くんに借りたノートを開いてしばらくして、ふと呟く。

永遠くんが勉強するためにしては、簡単なところから詳しくかいてある。


そして、
『前回のテストで間違えてたから復習しておく』
『計算ミス気を付けろ』
など、私に向けたメッセージ。


ここもここも、私が苦手なところを分かりやすく書いてくれている。

それに気づいた瞬間、じんわりと胸の奥が熱くなった。



永遠くん、生徒会とか自分のテスト勉強とか忙しいはずなのに……。

ぶっきらぼうで、冷たかったのに。

本当は私のことちゃんと考えて、私が追試にならないようにノート作ってくれてたんだ。



最近疲れた顔をしている永遠くんを思い出す。
いいのに、自分のこともっと優先していいのに。

そう思うけれど、やっぱり嬉しくて。
永遠くんのこと、やっぱり好きだなぁと思った。


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