氷点下できみを焦がしたい
永遠くんが頑張ってくれた優しさを、絶対に無駄にしたくない!
そう思った私は今までで1番勉強して、次の日も速めにセットしたアラームに目をこすりながら早起きした。
教室で勉強しようと思って、いつもより1時間早く学校に行く。
「あ……」
隣のクラスの永遠くんの教室を通り過ぎた時、思わず立ち止まる。
窓際のいちばん後ろの席。
座ったまま横の壁によりかかって寝ている永遠くんがいたから。
机の上には参考書が広げてあって、勉強の途中で寝てしまったことがわかる。
少しだけ開いた窓から入った風が、永遠くんのミルクティー色の髪を優しく揺らす。
起こさないようにそっと近づいて、その横顔を見つめた。
長いまつげが、白い頬に影を落とす。
ため息がでるほど綺麗な寝顔は、まるで人形みたいだ。
朝早く来て、勉強してたんだ。
永遠くんも勉強中に眠くなったりするんだなぁ。
……それってやっぱり、生徒会の仕事も私のノート作りも、勉強以外のことが忙しすぎたからかな。
そうだったら申し訳ないなぁ……。