氷点下できみを焦がしたい


永遠くんの裏の顔のことは、あれから誰にも話してない。

だって、

「生徒会長で誰にでも優しい佐藤永遠くんに、本当は冷たくて怖い裏の顔がある」

なんて言ったって、どうせ誰も信じてくれないから。




まあ、いいんだ。
もう好きじゃないし、永遠くんに言われなくたって諦めるし。

きっともう、関わることもないし……。






「でも1人じゃ勉強分からないだろ?
だから佐藤に教えてもらえ」


「……佐藤?」

「首席入学の佐藤だよ。
あ、ちょうどよかった。ほら、佐藤」


恐る恐る先生が指さした職員室の入り口に目を向けると、ちょうど今ここに入ってきたらしい永遠くんがこちらに歩いてきた。


そんな、そんな……嘘でしょ!?




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