氷点下できみを焦がしたい
「よろしくね、笹木さん」
にっこり笑う、永遠くんの笑顔が怖い。
笑顔の裏に隠された本当の永遠くんが、
『面倒くせぇな、3点なんて馬鹿じゃねえの。
俺の仕事増やすんじゃねえよクズ』
って言っているような気がしてならない。
今までは格好良くて大好きだったこの作り笑顔も、今は恐怖の対象でしかない……!
「悪いなぁ佐藤。生徒会も忙しいのに仕事増やして」
そう思うなら永遠くんじゃない人にお願いします先生!
私のためにも!永遠くんのためにも!
「いえ、全然大丈夫ですよ。
人に教えるのは自分の勉強にもなるのでむしろ嬉しいです!」
清々しいほど爽やかな笑顔で、全く思っていなさそうな綺麗事を並べる永遠くん。
もしかして昨日のあれは全部私の悪い夢で、本当の永遠くんはこっちなんじゃないかとすら思ってしまう。
「佐藤は本当に優秀だなぁ!じゃあ頑張るんだぞ!」
にこにこしながら上機嫌で私の肩を叩く先生。
私は永遠くんと並んで職員室を出る。
永遠くんの仮面みたいな笑顔が怖くて、冷や汗が出てきた。