氷点下できみを焦がしたい



「よろしくね、笹木さん」





にっこり笑う、永遠くんの笑顔が怖い。


笑顔の裏に隠された本当の永遠くんが、

『面倒くせぇな、3点なんて馬鹿じゃねえの。
俺の仕事増やすんじゃねえよクズ』

って言っているような気がしてならない。


今までは格好良くて大好きだったこの作り笑顔も、今は恐怖の対象でしかない……!



「悪いなぁ佐藤。生徒会も忙しいのに仕事増やして」


そう思うなら永遠くんじゃない人にお願いします先生!
私のためにも!永遠くんのためにも!


「いえ、全然大丈夫ですよ。
人に教えるのは自分の勉強にもなるのでむしろ嬉しいです!」


清々しいほど爽やかな笑顔で、全く思っていなさそうな綺麗事を並べる永遠くん。

もしかして昨日のあれは全部私の悪い夢で、本当の永遠くんはこっちなんじゃないかとすら思ってしまう。



「佐藤は本当に優秀だなぁ!じゃあ頑張るんだぞ!」



にこにこしながら上機嫌で私の肩を叩く先生。
私は永遠くんと並んで職員室を出る。


永遠くんの仮面みたいな笑顔が怖くて、冷や汗が出てきた。


< 14 / 246 >

この作品をシェア

pagetop