氷点下できみを焦がしたい
「……へえ、そうなんだ」
寝ていたはずの永遠くんから声が聞こえて、私もお父さんも驚いて振り返る。
「なんだ、起きてたのか」
照れ臭そうに目を逸らすお父さん。
呆れたみたいに笑う永遠くん。
「……知ってたよ。
担任の先生たちに俺が元気かどうか聞いて気にかけてるのも、俺の写真部屋に飾ってるのも。
でも、それは「優等生の息子」だからだと思ってた」
「そんなわけないだろ。
たとえ永遠の成績が最下位だって、永遠がその、グレてヤンキーになったって、まあ心配はするし怒るかもしれないけど、大切な息子なことには変わりないよ」
ほら、そう言ったでしょう。
永遠くんは永遠くんのままで、十分愛されてるよって。