氷点下できみを焦がしたい
「っ……」
ぽろ、とこぼれた涙。
慌てて拭うけれど、止まってくれない。
永遠くんの手が止まって、それからパッと頬から離れて、戸惑ったように下りていった。
「……ごめん、困らせるつもりじゃなかった」
永遠くん、傷付いた顔してた。
私が傷付けた。
できなかったキス。
触れなかった唇。
伝えられなかった気持ち。
私、どうして泣いてるんだろう。
わかんない、もう何もわからない。
永遠くんが、他の女の子と一緒にいるのを見るのが辛かった。
私にはない、2人が今まで積み上げてきた時間があるんだと思ったら苦しかった。
私じゃない女の子の隣で、トワくんが笑ってるのが寂しかった。
永遠くんが、観覧車まで走ってきてくれて嬉しかった。
その必死な表情が愛しかった。
掴まれた手首が、熱かった。
──きみのくれた言葉が、何よりも胸を締め付けたのに。