氷点下できみを焦がしたい
・
♡
・
「ちょっと永遠、なんで置いていっちゃうの!?」
短いはずなのに息苦しくて、長い時間が終わった。
観覧車が地上について、ドアが開いた瞬間、やっと酸素が吸えたような気がした。
キラキラした夜景がぜんぶ、涙でぼやけて見えた観覧車から降りる。
降りた先には真緒くんと莉緒ちゃんがいて、莉緒ちゃんはやっぱり泣きそうな顔をしていた。
けれど、彼女も私の泣きはらした目を見て驚いたように口をつぐんだ。
「真緒も莉緒も、置いていってごめん。
羽瑠も、ごめん、本当に」
謝る永遠くんと泣いている私に、何もうまくいかなかったことを察した真緒くんが、へらりと笑う。
「じゃあそろそろ暗くなってきたし帰るか!」
私たちもそれに頷く。
「なあ、莉緒。話したいことがある」
「え……永遠、なに?」
「帰り、2人だけで帰っていい?」
「うん……わかった」
永遠くんの暗い表情に、莉緒ちゃんの表情もつられて暗くなる。
なにを、話すんだろう。