氷点下できみを焦がしたい
「じゃあ、俺たちはここで解散しようか」
真緒くんに言われて、私も頷く。
「ありがとう、またね」
それだけ言って、頑張って笑顔を作ってみんなに手を振る。
帰りの電車に揺られながらも、今日あったいろんな出来事が頭をぐるぐる回る。
苦しかったし、嫉妬もした。
だけど永遠くんの泣きそうな顔が、頭から離れてくれない。
笑ってほしかったのに。
幸せになってほしかったのに。
どうして私が傷つけてるの?
……だけどあそこでキスしたら、私の心が壊れてしまう気がした。
星空の中を回るふたりきりの空間は、もっとロマンチックであるはずなのに。
苦しくて、痛くて、悲しかったから。
だからこそ夜景が、余計に綺麗に見えたような気もした。