氷点下できみを焦がしたい







「やればできるじゃないか。合格だ」


そして追試が終わった。
なんと98点!こんなすごい点数初めて取った!永遠くんすごい!

先生もにこにこしながら答案用紙を返してくれる。


「さすが佐藤だなぁ。3点から98点なんて。ちゃんとお礼しておくんだぞ」

「はい!失礼します!」


永遠くん、私、ちゃんと解けたよ。
永遠くんが教えてくれたところ、いっぱい出たよ。

早く伝えたくて、永遠くんを探す。

……どこにいるんだろう。

永遠くんのクラスである隣の教室に向かってみるけど、放課後だから誰もいなくて、うーん、と考える。



もう帰っちゃったのかな……。

連絡先も知らないからメッセージも送れないし。


まあ、明日伝えればいいか……本当は今すぐありがとうって言いたかったけれど。


そう思いながら廊下を歩いていると、ある部屋が目に入って立ち止まる。


「生徒会室……」


そういえば永遠くんは生徒会長だ。
もしかしたら!と思って生徒会室の前に向かう。

中から話し声が聞こえたので確信を得て、勇気を出してノックする。


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