氷点下できみを焦がしたい
だけど遠くから永遠くんの姿を見ただけで、胸がキュンと疼いてしまう。
さっきも、廊下に永遠くんが歩いている姿が見えて。それだけで永遠くんの周辺が輝いて見えたし、うれしくなった。
……これじゃあ、王子様の永遠くんに憧れていた時と同じだ。
結局あの頃に戻っちゃって、いいの……?
浮かない気分のまま学校を出ると、莉緒ちゃんが校門のところで待っていた。
紺色のセーラー服が目立っている。
……永遠くんを、待ってるのかな。
そう言えばあの日、永遠くんと何を話したんだろう。
「莉緒ちゃん、久しぶり。
永遠くん待ってるの?」
そう話しかけたら、莉緒ちゃんがむっとした表情で私を見る。
「今日は羽瑠ちゃんを待ってた」
「え……」
「ちょっと話したいんだけど、いい?」
こくりと頷いて、莉緒ちゃんについて行く。
やってきたのは、近くにあった公園。
2人並んでベンチに座る。