氷点下できみを焦がしたい
「……飲めば?」
不機嫌そうな顔をしながらも、莉緒ちゃんが自販機で買った缶のミルクティーを渡してくれた。
「えっ、ありがとう……」
少し戸惑いながら受け取って、缶を開けてひと口飲んだ。甘くて、苦い。
「……永遠のこと、取らないでほしいの」
白くて細い手でミルクティーの缶をぎゅっと握りしめて、俯くふわふわの髪。
震える声に、ああ、この子は本当に永遠くんのことが好きなんだと思い知った。
「……」
私は何も言えなくて、視線を落とす。
私と並んだ莉緒ちゃんの靴すらも小さくて、莉緒ちゃんのことを守ってあげたくなる気持ちがわかる。
「遊園地の帰りにね、永遠に言われたの。莉緒のことはずっと大切だけど、それは家族としての気持ちで。……女の子として、特別な子ができたって。これからは莉緒を最優先にはできない、って」
少し震えた声。力を入れた指先。