氷点下できみを焦がしたい










「大丈夫?永遠と全然喋ってないでしょ」



次の日。放課後の教室にひとりで座っていると、真緒くんがやってきた。


『──何も言えないくらいの気持ちなら、諦めてよ』
昨日の莉緒ちゃんの言葉が忘れられない。

1日中考えて、悩んでいる私に真緒くんが声をかけてくれた。


真緒くんに心配かけてしまった。

  

「うん、ちょっと……」


「莉緒のこと気にしてるなら、気にしなくていいよ」

「え……」



誰もいない教室。
私の隣の席に座って、真緒くんが困ったように微笑む。



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