氷点下できみを焦がしたい
「……それか、俺にしてもいいけどね」
真緒くんの言葉に、驚いて目を見張る。
ふざけているのかと思ったけれど、真緒くんの表情は真剣だった。
私を見つめる瞳がまっすぐで、本当なんだって痛いほど伝わってくる。
「真緒くん、」
「俺、羽瑠ちゃんのこと好きだって言ったよね。
羽瑠ちゃんが幸せなら見守ってあげようと思ってたけど……永遠がふらふらしてるなら、俺が奪っていい?」
「っ……」
いつも、ちゃらちゃらしてる真緒くんが、真剣な顔で私を見つめる。
ドキン、ドキン、と心臓が鳴る。
規則的な時計の音だけが響く教室で、ほんの数秒が途方もない時間に感じた。