氷点下できみを焦がしたい






「ごめん、私、永遠くんが好きなの──…」





言葉にしてしまえばシンプルなものだった。


だって、他の誰でもだめだ。

私の隣にいるのは永遠くんがいい。
永遠くんの隣にいるのは私がいい。



永遠くんが呆れたみたいに「ばか」って笑う相手は、私じゃなくちゃ嫌で。

永遠くんが風邪をひいた時、甘えたくなる人は私がよくて。

私が何か嬉しいことがあった時、1番に報告するのは永遠くんがいい。

悲しいことがあった時、隣にいてくれるのは永遠くんがいい。


あの日、本当は、こぼれ落ちそうな星屑の中で、キスがしたかった。




それだけなの、それだけの願いだったの。




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