氷点下できみを焦がしたい
「……なんだ、ちゃんと言えるじゃん」
ぽん、と私の頭に置かれた真緒くんの右手。
優しく撫でられて、心の奥からじんわりと温かく、そして切なくなる。
「羽瑠ちゃんは優しいから、いろんな人の気持ちを考えて動けなくなるかもしれないけど。
永遠を好きだって気持ちだけ忘れずにいたらいいよ」
目の奥が熱くなって、温かい滴が頬を流れた。
どうしてそんなに優しくしてくれるんだろう。
私は真緒くんが思ってるような優しい人間じゃないのに。
優しいんじゃなくて、ただ弱くて。
自分が人を傷つけるのが、怖いだけなのに。
……そんな私を優しいって思ってくれる、真緒くんがいちばん優しいのに。
「真緒くん、ごめん、ありがとう……」