氷点下できみを焦がしたい
「莉緒ちゃん。私も、永遠くんのことが好き」
ゆっくり、自分の気持ちを確かめるように言葉を紡ぐ。ずっと、これが伝えたかった。莉緒ちゃんにも、永遠くんにも。
「永遠くんを笑わせるのは、幸せにするのは、私でありたいって思うの」
莉緒ちゃんは黙ったままココアの缶を開けて、ひと口チョコレート味の飲み物を飲む。
そしてそのまま前を向いて、呟いた。
「……知ってるよ」
「それでも、莉緒ちゃんには言わなきゃいけないと思ったから」
まっすぐに莉緒ちゃんの目を見てそう言ったら、長い睫毛を伏せて、小さくため息をついた。大きな目が私を見る。
「……そういうところが、私に足りなかったのかな」
「え?」
「私は永遠に求めてばっかりで、何も与えたいって思ってなかったかもしれないなぁ」
空を見上げながら、呟く莉緒ちゃん。