氷点下できみを焦がしたい


「これ。全部3枚セットでホチキスで止めて」


永遠くんが私の前にドサッとプリントの山を置く。こ、こんなに……。


「よろしくねー、ごめんね急に!」


真緒くんが謝りながらも、2人はすでに仕事を進めていた。

パソコンをカタカタ打つ永遠くんは、なんだか仕事ができそうな感じがしてとても格好いい。


……生徒会って、華やかなイメージだけどこんなに忙しいんだなぁ。

そんなに忙しい中、私の勉強まで見てくれてたんだ。


……本当は、優しいのかな。


パチン、パチン、と永遠くんに言われた通りにホチキスを留めていく。


「ごめん羽瑠ちゃん、これもお願いしていい?」

「あ、はい!」


真緒くんに追加で渡されたプリントもまたホチキスで留め始める。


だめだなぁ、このまま永遠くんの近くにいたら、好きになってしまいそうな気がする。

前の、外面だけ見て王子様に憧れていた時はただ楽しかっただけだけれど。

でも本当の永遠くんを見て、永遠くんの中身まで好きになってしまったら、きっと苦しい。

本気の恋になってしまったら困る。
永遠くんへの気持ちは憧れのままがいい。

だって、永遠くんは私に諦めろって言ったんだから……。


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