氷点下できみを焦がしたい
「……おい、笹木」
「はい!」
「お疲れ。もういいよ」
「え……」
考え事をしながら無心で作業していたら、いつの間にか2時間くらい経っていたらしい。
永遠くんに声をかけられて、ようやく手を止めた。
私の前には完成した書類の山。
「ありがとう羽瑠ちゃん、本当に助かった!」
「いえ……!」
「……お前作業は早いな。助かった」
と、永遠くんに褒められた……。
「ほ、褒めないでください……」
「は?」
「嬉しくなっちゃうので」
「嬉しくなって何が悪いんだよ」
「い、色々と都合が……」
好きになっちゃったらどうしてくれるんですか。
憧れを超えてしまったらどうするつもりなんですか。
そんなこと言えるはずもなくて口ごもっている私を見て、真緒くんがニヤニヤしていた。
「いやー、面白いね羽瑠ちゃん」
何も面白くないです……と思いながら真緒くんを見る。
「ていうか、生徒会って2人しかいないの?
こんなに仕事多いなら、もっと人がいたほうがいいんじゃ……」
普通は書記とかいるよね?
こういう雑用だって2人だけじゃなかなか終わらないよね?