氷点下できみを焦がしたい
他愛のない話をしながら少し歩いてから、駅に向かう途中の交差点で永遠くんと別れた。
真緒くんとふたりになって、微妙な距離感を保ったまま並んで歩く。
2人になるのは初めてだから、ちょっと緊張するなぁ。
「ねえ、羽瑠ちゃんって永遠のこと好きなの?」
ふたりになった瞬間にど直球な質問をしてきた真緒くんに、驚いて思わず足を止める。
「な、何?急に……」
「いや、どうなのかなと思って」
「どうって……」
好きだった、けど。
私が好きになった永遠くんは、本物の永遠くんじゃなくて。
本当はもっと冷たくて、怖くて。
しかも好きなら諦めろなんて言うし。
……だけど、そんな本物の永遠くんを、私はどう思ってるんだろう……。
戸惑う私に、真緒くんは足を止めて私の目を真っ直ぐに見た。
「好きじゃないならいいんだけど」
「……え?」
「もし好きなら、やめてくれない?」