氷点下できみを焦がしたい

……どういうこと？

いつものチャラチャラした笑顔じゃなくて、真剣な表情の真緒くんがなんだか怖い。
何、生徒会ってみんな二重人格なの？


「……それは、何で？」

「困るんだよね。永遠に本気になられると」

「え……」


もしかして、真緒くんも永遠くんのことが好きとか……！？
驚いて目を見張った私に、笑顔を崩さないまま真緒くんが続ける。



「一応言っておくけど、俺が永遠のことを好きとかじゃないよ」

……違った。違うんだ。
2人きりの生徒会とか、ちょっと怪しいかもとか思っちゃった。



「永遠には大切な子がいる」

「……大切な子？」

「だから羽瑠ちゃんに永遠を渡すわけにはいかない」

「それ、って……」



彼女？そう聞こうとしたけれど、何故だか声がうまく出なかった。
真剣な顔をしていた真緒くんは、急にへらりといつものように笑って。



「まあ、俺のこと好きになるぶんには全然いいんだけどね〜！俺にしちゃう？」


なんて軽口を叩く。
私はその冗談に笑えなくて、少し俯いた。




「……そんなわけだから、本気になったら羽瑠ちゃんも辛いでしょ。叶わない恋なんて」



叶わない恋。その言葉が胸に突き刺さる。
永遠くんには大切な子がいる。
永遠くんは私を好きになってくれない。

……私は永遠くんを、好きになっちゃいけない。