氷点下できみを焦がしたい



永遠くんの家のお風呂は、緊張しすぎて正直何も覚えてない。


シャンプーが永遠くんの匂いでドキドキしたりとか。
借りたスウェットを着たら、すごく大きくて永遠くんって大きいんだなあってまたドキドキしたことは覚えてる。

ドキドキしたことしか覚えていない。



「お風呂ありがとうございました!」



こういう時、なんで言って出るのが正解なのか5分くらい迷ってから変な登場をしたら、永遠くんがちょっと呆れたみたいにふっと笑った。


……その笑顔が、いつもの王子様スマイルとは全然違って。
いつもよりずっと自然で、本物で。


……だからなんだか胸が苦しくなってしまう。


< 40 / 246 >

この作品をシェア

pagetop