氷点下できみを焦がしたい
「──そう、かもね」
煮え切らない返事。だけどその真剣な横顔に、きっと真緒くんの話は本当だってこと、わかってしまった。
『そんなわけないだろ』って呆れたように笑ってくれるかなって、そうだったらいいなって、少しだけ期待してた。
「……それって、彼女?」
「お前には関係ないだろ」
その言葉がぐさりと心臓を刺す。
そうだよね、私には関係ない。
……彼女なのか、そうじゃないのかはわからないけど。
それでも彼には大切な人がいるんだ。
温かくて甘いホットミルクが、喉を通って胸の奥に落ちる。じんわりと中から熱が広がって、私の身体を支配する。
ホットミルクの優しい甘さが、きみの冷たい言葉が。ぐるぐるまわって、おかしくなりそうだ。