氷点下できみを焦がしたい
「あ、そうだ。ここ先生に確認してくるわ」
企画書に気になるところがあるらしく、永遠くんは真緒くんと入れ替わるようにして生徒会室を出ていく。
「……あれ、どうしたの?羽瑠ちゃん元気なくない?」
なにも喋らない私を不思議に思ったのか、真緒くんが私の顔を覗き込む。
「……」
「なになに、恋煩い?」
はは、と冗談まじりに笑う真緒くん。
なにも答えない私に、「え、本当に?」と笑顔を消した。
「……そんなわけないじゃーん。信じちゃった?」
へらへら笑って答えると、なんだよ、と安心したような顔をする真緒くん。
真緒くんは私に永遠くんを好きになってほしくなくて。永遠くんは他に大切な人がいて。
その大切な人もきっと、私に永遠くんを好きになってほしくはないだろう。
……なんか虚しいなぁ。誰にも喜ばれないこの気持ちは、いったいどこに捨てたらいいんだろう。