氷点下できみを焦がしたい
「永遠〜、私あれ食べたい!」
「ああ、いいよ」
文化祭の日が、ついに来てしまった。
永遠くんと莉緒ちゃんが仲良く文化祭を回っているのを目の当たりにしながら、私は生徒会の補佐として高校のパンフレットを配っている。
「ちょっと、あの子誰!?」
「王子の幼なじみらしいよ」
「彼女?」
「かもねー」
突然現れた永遠くんと仲の良い美少女はたちまちみんなの噂になって、女の子たちが騒いでいる。
「ちょっと、知ってた?羽瑠」
菜乃ちゃんが驚いた表情で私を見つめる。
私はへらりと笑って、「ちょっとだけ」と答える。