氷点下できみを焦がしたい
「あ、笹木さん」
急に声をかけられて顔を上げると、文化祭担当の先生がいた。
「これ、食販団体のリストなんだけど、しっかり衛生対策されてるかチェックしてきてくれる?生徒会の仕事だから……」
「あ、はい。わかりました」
「1人じゃ大変だから、佐藤くんと日高くんと一緒にお願いね」
「はい」
先生が行ってしまってから、渡されたリストを見る。ずらりと並んだ食販団体の名前は多くて、たしかに1人じゃ大変そうだ。
ここのパンフレット担当も離れるわけにはいかないし……。
だからといって、莉緒ちゃんと楽しそうに過ごしている永遠くんに声を掛けるのも憚られるなぁ。
嬉しそうに永遠くんに笑いかける莉緒ちゃんの顔を思い出して、心が曇る。