氷点下できみを焦がしたい
「羽瑠、私パンフレット配ってあげるから行っておいで。1人で無理したらだめだよ」
「え、でも菜乃ちゃん……」
「私はちょうどクラスのシフト終わって暇だからいいの。ほら、行ってらっしゃい」
「ありがとう、菜乃ちゃん~!後で焼きそばでも奢る!」
「はいはい」
優しく笑ってくれる菜乃ちゃんは、永遠くんと莉緒ちゃんを見た私の気持ちなんてお見通しみたいだった。
パンフレットのところに菜乃ちゃんを残して、食販団体のチェックに走る。
永遠くんたちに声をかけようとは思ったんだけれど、どうしても今、永遠くんと莉緒ちゃんを見たくなくてやめた。