氷点下できみを焦がしたい
外のテントを回って、手袋やエプロンをしているかとか、消毒をしているかとか、そんなチェック項目に印をつけていく。
……や、やっと半分くらい終わった。でも結構時間かかっちゃったなぁ。
思っていたより大変な作業にため息をつく。
「……あ、いた!羽瑠ちゃん」
と。突然飛ばれた名前。
驚いて振り返ると、そこにいたのは真緒くん……と、永遠くんと莉緒ちゃん。
見事に顔の整った3人はなんだか目立っていて、キラキラしていて、私とは別世界の人なんだなって少し悲しくなった。
「おい、何で俺たちに言わないんだよ。
1人でやるなって言っただろ」
怒った顔の永遠くん。
……なんで私が怒られなくちゃいけないの?
気を使ってあげただけなのに。
永遠くんが莉緒ちゃんといたいかなって思ったから、だから……。
いや、本当は私が仲のいい2人を見たくなかっただけなんだけれど。