氷点下できみを焦がしたい




なんだか虚しくなってしまった。


怒った顔の永遠くんに。

永遠くんに寄り添うみたいにくっついた莉緒ちゃんに。

それを当たり前みたいに受け入れる永遠くんに。




……それと、バカみたいにヤキモチ妬いてる自分に。




「ほら、一緒にやるぞ」

「……」



私からチェック項目のプリントを受け取ろうと手を伸ばす永遠くん。

それだけのことに、永遠くんが今日初めて莉緒ちゃんじゃなくて私を見てくれたことに、泣きそうになってしまう私がいる。

そんな自分が浅ましくて、嫌いだ。

でもそれも束の間。



「……永遠、一緒にいてくれないの?」




と、莉緒ちゃんが不安そうな表情で永遠くんの制服の袖を引っ張った。

その言葉で一気に現実に引き戻される。



「あー、悪い。
生徒会の仕事だからその辺に座って待ってて」

「嫌だ……1人にしないで」



泣きそうな顔をする莉緒ちゃん。




「……いいよ、あとちょっとだから私が1人でやるよ!」

「いや、でも」



困った顔の永遠くん。

早く、早く莉緒ちゃんとどっか行ってよ。

そうじゃないと泣いちゃいそうだから、早く1人にしてよ……。


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