身代わり婚~偽装お見合いなのに御曹司に盲愛されています~
そしてチラリと見たことがある悠人さんの秘書さんを思い出す。

「ああ、あのクールそうな……」
「クールね……」

「違うんですか?」

「会えばわかるよ」
含みを持たせた悠人さんの言葉に、あの時の明日香の言葉を不意に思い出した。

「それより、悠人さんも会社ではクールだって私の同期が言ってました」
その言葉に、悠人さんは少し顔をしかめると、小さく息を吐いた。

「普通だよ?仕事に笑う必要もないだろ?」
私としては、余計な女の人を近づけて欲しくもないし、それはそれでいいような気がする。

「そうですね。悠人さんはそのままでいてくださいね」
納得したように言った私に、食事が終わった悠人さんはジッと私を見つめる。
「それって、俺に他の女を寄せ付けたくないってことだよね?」
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