身代わり婚~偽装お見合いなのに御曹司に盲愛されています~
お姉ちゃんのふりをしていた時のことだと分かり、私は恥ずかしくなって顔を背けた。

「そんなことを言う悠人さんなんて嫌いです」
照れ隠しと、なぜか悔しくなってそんな言葉をいう私の頬を掬い上げるとキスをする。

「そんなこと言うなよ。本当にかわいいって思ってたんだよ」
そう言って笑うと、静かに悠人さんは私をキスで組み敷いた。
深くなるキスに、私はどうしていいのかわからずされるがままになっていた。

「礼華……もしかして」
その先に続く言葉が解り、私は顔を手で覆った。

「はい……ごめんなさい」
元カレとは何度かそういう雰囲気になったが、どうしても最後まで進む勇気がでなかった。
それが原因で別れたと言っても、言い過ぎではないかもしれない。

「なんで謝る?」
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