身代わり婚~偽装お見合いなのに御曹司に盲愛されています~
悠人さんは優しく微笑んで、私の指に自分の指を搦めるとそっと私の指にキスをする。

「キスとかはあるんですけど、最後までは……」
言いかけた私の言葉に、悠人さんは動きを止めた。

「キスはあるんだ……」

なぜか纏っていた空気が変わり、私は驚いて悠人さんをみた。
「妬ける」

それだけをいうと、またキスが激しくなる。
自分の漏れる声が、自分の物でない気がして息が上がる。
しばらくキスだけが続いて、ようやく唇が離れて私は大きく息を吸い込んだ。

「悪い。ついこの唇に誰かがキスしたことがあると思ったら……」
そう言うと、悠人さんは私の首筋に顔を埋めた。

「こんなに余裕がないの初めてかもしれない……」
経験豊富だろう、悠人さんの言葉が嬉しくて私は自然と笑みが零れる。
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