身代わり婚~偽装お見合いなのに御曹司に盲愛されています~
お姉ちゃんならともかく、代わりに来た私との縁談を進めた理由がどうしても引っかかっていた。
こんな何の魅力もない女だもんね……。

あの優しい悠人さんにそんな野心があったなんて……。

騙されていた。

しかし、そんな気持ちはすぐに消え去った。
どんな理由があったとしても、私は悠人さんが好きで大切で、それ以上に幸せをもらった。
悠人さんが社長になるために結婚するのなら、それはそれでいいのではないか。

私に対する気持ちがなかったとしても、十分愛情をかけてくれてる……。
そこまで思ったところで、涙が零れ落ちる。

それほど私は悠人さんが好きだ。
私も悠人さんに好かれたい、悠人さんに愛されたい。
そんな気持ちでいっぱいになる。

でも、悠人さんは私をどう思ってるの?

聞けない不安は私の心に暗い影を落として言った。
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