身代わり婚~偽装お見合いなのに御曹司に盲愛されています~
久し振りの二人の休日、相変わらず悠人さんは私の膝に頭をのせてテレビを見ていた。
その間も、私の手を握りしめたり、髪に触れたり、キスをしてきたりする。
「なあ礼華」
私もぼんやりとテレビを見ていると、悠人さんが私を呼ぶ。
「はい?」
「礼華!」
急に強く呼ばれて私は、慌てて悠人さんを見た。
「どうしました?」
真剣な瞳で私を見つめる、悠人さんの視線に私は少し不安げに問いかけた。
「それ、そっくり俺が返したいんだけど」
少し怒ったような言い方に、私はドキッとする。
確かに心ここにあらずだったかもしれない。あの日から、初めてゆっくりとした時間を過ごしているが、どうしても心にあのことが引っかかている。