身代わり婚~偽装お見合いなのに御曹司に盲愛されています~
この人の代わりに私は甘やかされ、この人に向けたかった愛情をうけていたのだろうか。

「だから、これでおままごとは終わりにしてもらえるかしら? 悠人みたいないい男と少しでもいい思いができたのだからよかったじゃない」

この人だけの話を信じたくはない。悠人さんと話をしなければ。
そう思って、私は最後の勇気を振り絞って更科さんを見た。
「きちんと悠人さんと話をします」
その言葉に、幾分驚いた顔をした後、あざ笑うような表情を見せた。

「本当に、身の程を知らないのね……。そこまで行くと笑えるわ。あのね、もう悠人は今頃日本にはいないわよ? しばらくアメリカに行くことを知らないの?」

「アメリカ……?」
そんなこと悠人さんは何も言っていなかった。

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