身代わり婚~偽装お見合いなのに御曹司に盲愛されています~
一人病室になり、もう何が何だかわからないのに、体は思うように動かないし、思考もぼんやりとする。
私は考えることをやめると、ゆっくりと意識を手放した。
そして、次に目を覚ましたのは、次の日のお昼だった。

時間を確認したくて、スマホを手にした私は、何回か悠人さんから着信が入っていることを知る。
そして送られてきたメッセージに目を通した。

【直接話ができなくてごめん。急遽しばらくアメリカに行かなければいけなくなった。家に荷物を取りに行ったときいなかったからどこか出かけていた?】

その内容が更科さんのいった通りで、私は絶望的な気持ちになる。
「私が一人から回っていただけだったのかな……バカみたい」
もはや涙も出ない私は、病室で一人自虐的な言葉が口をつく。

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