身代わり婚~偽装お見合いなのに御曹司に盲愛されています~
その言葉に、お母さんの顔色が変わったのがわかった。
「どういうこと?」
お母さんには、お姉ちゃんじゃないことは悠人さんに伝えたとだけ言ってあった。

「やっぱり、悠人さんぐらいの家柄だとお姉ちゃんとか、いい所のお嬢さんじゃなきゃ認めてもらえないみたい」
さっぱりと言い切った私に、お母さんが今にも泣きそうな表情を見せた。

「そんな……。私たちのせいで……」
「お母さん違う。私が悪いの。いつまでも悠人さんを騙してたんだから」
「でも!」
お母さんが声を上げたことで、私はここ最近の情緒不安定に付け加えて倒れた原因を確信した。
「お母さん、ごめん。迷惑かけるけど」
「礼華……」
お母さんはそれ以上なにも言わなかった。

そっと私はお腹に手を当てる。

「妊娠してるって言われたんだよね?」

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