身代わり婚~偽装お見合いなのに御曹司に盲愛されています~

その契約に向けての会議や調整を、副社長が行くというものだった。

「なんだよこれ!」
「てっきりお前が行くと思っていたが、薫子さんと結婚できるならもういいのかと……」
そのバカらしい話に俺はすぐに、会社をでると家へと戻る。


嵌められた❗️
昔から策略家の薫子のことだ。
この間、いきなりやってきて、俺が婚約を断った時に、もう少し警戒するべきだったのに。

自分の爪の甘さを後悔しつつ、家に戻る。

「礼華!」

いるものだと思って呼びかけたが、しんと静まり返った部屋が広がる。
電話をすることも考えたが、今はそれどころではなく、俺は秘書へと電話をかけて慌ただしく、渡米する準備をするしかなかった。

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